MIPIM Awards 2011 Futura Project(2011.3)


「地域の豊かなライフスタイルを新しいビジネスとして、メインストリートの再生をはかり、スマートシュリンクを達成する」。まちなか再生の考え方を、高松丸亀町や長浜などの事例を通して紹介するブースを2011年3月にカンヌで開催されたMIPIMに出展、未来プロジェクト部門で大賞を受賞した。

授賞式

MIPIM(Le marché international des professionnels de l’immobilier)は、世界中のディベロッパー、自治体、建築事務所などが、きらびやかなブースを並べてそれぞれの都市開発プロジェクトをアピールし、投資家や出店者をつのる国際見本市だ。

 2008年11月に香港で行われたMIPIM Asiaに高松丸亀町のプロジェクトを持ち込んでいる。そこで特別審査員賞(Special Jury Award)を得た。これを世界中から人々が集まるカンヌに出展したらどのような評価を得るだろうか、試してみる価値があると考えたのである。

 タイトルは「Sustainable Urban Development: Compact City」。長浜、高松丸亀町のほか、当時計画づくりが進んでいた、沼津、山口の中心市街地再生と大分の老朽化が進む住宅地の再生をとりあげ、都市のコンパクト化(=中心の再生)とライフスタイルのブランド化で賢い縮退(スマート・シュリンク)を達成すると訴えた。

MIPIM 2011展示ブース
Main Street Redevelopment

ムービー :MIPIM 2011展示映像

2011年のMIPIMには、90カ国から1700プロジェクトが出展され、2 万人の来場者があった。審査は、審査委員と来場者による投票で行われ、未来部門で受賞した。受賞理由として以下のような評価をいただいた。

全体が流れるようで無駄が全くない、優しいタッチの良質プロジェクトとしての建築性を高く評価しました。深く検証された素材からくる、プロジェクトワークの良さを感じさせるところも気に入っています。もう1つ、このプロジェクトの成功の秘訣は、いくつかの都市共通にどこへでも適応させることが出来るということをあらかじめ目指して作られた適応性にあります。

 私がこのプロジェクトを特に評価したのは地域社会に密着して4つのそれそれの地域住民の声を反映したものであったことです。このプロジェクトのコンセプトには地域住民が参加していて、地域住民参加型プロジェクトと言えます。それによってこの企画が大変ヒューマニスティックにできあがっており、また同時に非常に柔軟性があるというところが魅力です。

綿密なリサーチのもとに考えられ提供された都市再開発の提案で、都市だけでなく、その都市が所属する地域そのものの再開発を提言していました。このプロジェクトの魅力は様々な地域の特性に併せることが可能なように設計されていることです。そして、持続性というコンセプトが建物だけではなくその地域の食文化をレストランで販売するというところへまで配慮が行き届いています。

 今回の被災で日本は世界中から暖かいエールと励ましのパワーを送られていると思いますし、日本は必ずそれに応えて復興すると信じています。そしてこれまで以上のまちづくりをし、今まで以上に、力強い国になっていくことを世界が期待しています。今回のプロジェクトの未来カテゴリ−アワードの受賞は、日本復興に一役買い、そして来たる未来を出来る限りより持続可能なものにしてゆくことのを支援しえる事柄であるといえるでしょう。

 この受賞理由に触れられているとおり、まさにこの会期中の3月11日に東関東大震災があり、カンヌに滞在していた面々は大きな衝撃を受け、帰途についた。

■参考文献・資料

*Sustainable Urban Development: Compact City (MIPIM 2011ブックレット)→アーカイブス